音楽関係と創作曲

アニメ「古木」 BGM制作秘話②

 

前回の続きでーす!

はい。やっとシーンを振り返っていきます。

 

 

①4:08~ 先生のシーン

一番最初に作ったシーンですね。

先生の生き様を表現しているシーンです。

心情 of 心情。

作画しているMiK姉さんが一番気合いを入れた部分。

そして一番私がもがき、一番最初に構想を受けた部分。

 

『天の心情』という賛美のアレンジです。

今回メインで使ったところは<間奏>です。笑

先生が歩んでいる前半はトロンボーンとブラスで、

お母さんが縁側で回想している後半はピアノで表現しました。

歌詞やどんな歌が気になるならこちら⬇︎をどーぞ!

 

 

前半は先生の生きてきた姿。

神様の愛を実践し、いろんな人を祈りで癒したり、

御言葉を伝えたり、月明洞を岩や松の木で建築したり。

何を言われても神様の御言葉を伝えることをやめず、

付いてくる私たち一人一人に寄り添ってくださる姿。

「力強く、慎み深く、柔らかく、芯のある音がいい!」

と思って、トロンボーンを抜擢しました。

私のトロンボーンのイメージがこういう音ですよね。

ボーン吹きの皆さん、違ったらすみません(^_^;)

和音はいろんな音を試しましたがブラスがしっくりきました。

 

後半は回想シーン。

5:43あたりから縁側シーンに切り替わり

お母さんのセリフになります。

ちょうどここでピアノに切り替わるように前半部分の長さを調整しました。

後にも似たシーン出てきますが、

お母さんは過去を回想しながら語っているシーンは

ピアノの高めの音で作っています。

なんとなくオルゴールっぽいイメージ。

『回想=オルゴール』のイメージありません?(私だけか)

 

 

 

②2:18~3:46 飴の回想シーン

「今でも忘れられないことがある。」

何十年も前の話。それでも忘れられない思い出。

温かくも切ないシーンです。

 

 

前半も気合入れましたが、特に気合いを入れたのは後半。

3:08あたりからの飴のシーンです。

この後のセリフからわかる弟を大切に思う先生の心も

お母さんのはじめは理解できない・驚いているような感覚すらも

ドラマチックに描きたいと思っていました。

 

右手の美しく余裕がある旋律で<神様の愛で人を愛する先生の純粋な心>を、

左手の込み上がってくるような低音で<お母さんの焦り・困惑の心情>を

表現させていただきました。

聞いていてなんとも言えない気分になる音だと思います。

 

3:24ぐらいから同じ音を高→中→低で繰り返しています。

実はこの部分、

「珍しい飴を食べずに、弟にあげようとして握りしめて走って帰ってきた」

という普通の子供ならやらないような行動を

お母さんが理解していく様子・受け入れていく様子を表現しています。

余談ですが、ラヴェルのソナチネ第3楽章のオマージュです。4分の5拍子のところです。わかる人はわかるかな。

 

 

 

 

③4:18~ 回想シーンその2

お母さんの「心が痛かった」を全力で表現したシーン。

いろんな音を使おうとしていたけれども最終的にピアノで落ち着きました。

ジブリっぽさを一番目指した部分でもあるかもしれない。

 

今考えてもなんでこんな音私から出てきたんだろう、って思うよね。

バンド畑で青春時代を過ごした私からは到底出てこない音だ。

聖霊様だ。と実感した瞬間でもある。

 

 

 

④6:13~ 最後のシーン

ポンソク牧師の語りを通して、

改めて先生の思いがポンソク牧師にとってどれほど嬉しかったか

また先生がどういう言葉を伝え、どういう精神で生きているのか

そんなことを振り返るシーンです。

 

心のわだかまりを溶かしてくれる。雪解けの描写いいわー!

ピアノメインは変わらず、ストリングスを混ぜて柔らかく、温かさを。

6:28~に<雪解けの音>として高い音のピアノが4回入っていますが、

この音にはシンセサイザーが混ざっているピアノの音源を使いました。

明るく、温かい、溶かされるような感覚を持ちながら作りました。

 

 

 

それから最後。本当に最後。

先生が御言葉を伝えているシーンの回想部分。

やはり回想シーンなので、高めのピアノの音です。

これは音の数を極力減らしました。

BGMより言葉の方を聞いてほしいから!!です!!

 

それから「私も飴を準備しなくては」。

物語の終わりであり、

「次は私も先生の愛を実践しよう」と決心している前向きな一言。

音数は減らしつつ、音は上昇(?)させて。

そんな感じで作っています。

 

 

 

 

うまく書けないな!!!笑

とりあえず、ただただ作ったわけではなく、

私なりに全力で考えて表現した結果体です!!!笑

 

ですが、アニメや映像においてあくまでBGMは引き立て役。

声優さんの演技の邪魔にはなってはいけないな、と

ひたすら裏役に徹するような感覚で作っていました。

BGMについて触れられないのがある意味正解なのかな?

と思っているぐらい。笑

 

それから、効果音って本当にすごいと実感。

音楽は要らないけれど何かが欲しいって思った時に

効果音がものすごく効果を発揮する。

麦わら氏の探してきてくれた効果音の効果抜群で、

映像にメリハリがついたと思います。全部制作しないで済んだし!!

映像にあっている音探すのも一苦労なんだよなあ。

私なら1つの効果音探すのに3日ぐらいかけてそう。笑

 

 

そんなこんなで、もがきながら制作した古木はこちらから見れます!

作画:MiK、映像:Lily、効果音:麦わら、BGM:でんでん

 

次回作も、お楽しみに☆

 

ABOUT ME
でんでん
神様の次にベースが大好きなキリスト教福音宣教会の関西人。 INFP-Aの内向型人間。営業に片足の太ももぐらいまで突っ込んでる企画職。神様の「愛」・「赦し」を表現するサウンドクリエイターになりたくて色々奮闘中。